Japanische Klassiker mit Furigana
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
Lesen Sie 何者 (なにもの) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.449 Zeichen · 77 Bildschirme
身体の小さい人の足は身体に相当して小さい筈だとお思いでしょう。ところがね、身体は小作りな癖に足丈けはひどく大きい人間もあることが分ったのですよ。滑稽じゃありませんか、足丈け大きいのですよ」赤井さんはそう云って又クツクツと笑い出した。志摩子さんは御義理に「マア」と笑って見せたが、無論どこが面白いのだか分らぬ様子だった。赤井さんの云ったりしたりする事は何となく異様である。妙な男だ。
夏の夜の由井ヶ浜は、お祭りみたいに明るく賑かであった。浜の舞台ではお神楽めいた余興が始まっていた。黒山の人だかりだ。舞台を囲んで葦簾張りの市街が出来ている。喫茶店、レストラン、雑貨屋、水菓子屋。そして百燭光の電燈と、蓄音器と、白粉の濃い少女達。
私達はとある明るい喫茶店に腰をかけて、冷たいものを飲んだが、そこで赤井さんが又礼儀を無視した変な挙動をした。彼は先日池の底を探った時、ガラスのかけらで指を傷つけたと云って、繃帯をしていた。それが喫茶店にいる間にほどけたものだから、口を使って結ぼうとするのだが、仲々結べない。志摩子さんが見兼ねて、
「あたし、結んで上げましょうか」と手を出すと、赤井さんは無作法にも、その申出を無視して、別の側に腰かけていた弘一君の前へ指をつき出し「結城さんすみませんが」