Japanische Klassiker mit Furigana
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よゆうのことなど
余裕のことなど
伊丹 万作
Lesen Sie 余裕のことなど (よゆうのことなど) von 伊丹 万作 (いたみまんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.707 Zeichen · 8 Bildschirme
するとそこへ当の佐々木が出て来た。
今まではただねたましいだけであつたが、佐々木の顔を見たとたんに源太は無性に腹が立つてきた。あれほど懇望したのに御大将は自分にはくれなかつた。そして、だれにもやることはできないと言つたその馬を現に四郎がやすやすと手に入れているのはいつたいどうしたことだ。主君に対する恨みと四郎に対する怒りとがごつちやになつて燃え上つた。次第によつては四郎と刺しちがえて死んでやろう。あつぱれものの用にもたつべき侍二人一ぺんに失わせて「鎌倉殿の損とらせまゐらせん」とまで思つた。
「四郎待て!」
「おう、源太か、かけ違つてしばらく逢わなかつたが相変わらず元気そうだな」
「あいさつはあとまわしだ。おぬし生食をいつたいどうして手に入れた」
「ふ、ふむ。これは少々いわくがある」
「いわくとは何だ」
「実はこうだ。我らもかねてから生食はのどから手が出るほど欲しかつたのだ。ところが、一足さきにおぬしがおねだりをして断られたという話を聞いた。お気にいりの源太にさえお許しがなかつたとすれば、我らごときがいかほどお願い申してみたところで所詮むだなことは知れている。