Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぞくしゅう

俗臭

織田 作之助

Lesen Sie 俗臭 (ぞくしゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.630 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

伝三郎の言を借りると、「結婚まえに、もうお祭りが済んでいた」訳だが、児子家の家長が多少の金を節約したさに然るべき式典を経ずして結婚するなど、権右衛門の潔よしとせぬところだったのだ。冠婚葬祭を軽んずる様で人間出世は出来ぬという信念をもっている。と、同時に、虎の子の貯金全部投げ出して立派な結婚式をあげたが、その時は無一文だったという様なことも、彼のとらざるところだ。だから、その際、結婚費用を一儲けせずんば止まなかったのだ。

それには、危い橋を渡る覚悟があった。その頃、小っぽけな電球の町工場をもっている松田という男に、口金代百円許り貸していて、抵当に電球三千個とっていた。百円の金が払えぬ丈あって、松田は如何にも意久地ない男だった。彼は、自分の姓が松田というところから、自分の製品にマツダ電球というマークをつけていたが、本物のマツダランプは一流品で、町工場の製品が一個十銭とすれば、少くとも一個三十銭の価値がある。だから、当然、マツダランプから松田に抗議があった。それを、松田は突っ放せぬ、どころか、商標偽造で訴えられる心配までしているのだ。マツダとマークするからは最初から腹を繰っていた筈だのに、所詮は、金儲け出来ぬ男だと、権右衛門は松田をおどしたり、そゝのかしたりした揚句、有金全部はたいて、松田の製品を殆んど買い占め