Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうとう
偸盗
Lesen Sie 偸盗 (ちゅうとう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.934 Zeichen · 97 Bildschirme
「家内の様子は、たいてい娘が探って来たそうだよ。それも、侍たちの中には、手のきくやつがいるまいという事さ。詳しい話は、今夜娘がするだろうがね。」
これを聞くと、太郎と言われた男は、日をよけた黄紙の扇の下で、あざけるように、口をゆがめた。
「じゃ沙金はまた、たれかあすこの侍とでも、懇意になったのだな。」
「なに、やっぱり販婦か何かになって、行ったらしいよ。」
「なんになって行ったって、あいつの事だ。当てになるものか。」
「お前さんは、相変わらずうたぐり深いね。だから、娘にきらわれるのさ。やきもちにも、ほどがあるよ。」
老婆は、鼻の先で笑いながら、杖を上げて、道ばたの蛇の死骸を突っついた。いつのまにかたかっていた青蝿が、むらむらと立ったかと思うと、また元のように止まってしまう。
「そんな事じゃ、しっかりしないと、次郎さんに取られてしまうよ。取られてもいいが、どうせそうなれば、ただじゃすまないからね。おじいさんでさえ、それじゃ時々、目の色を変えるんだから、お前さんならなおさらだろうじゃないか。」
「わかっているわな。」
相手は、顔をしかめながら、いまいましそうに、柳の根へつばを吐いた。