Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうとう
偸盗
Lesen Sie 偸盗 (ちゅうとう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.934 Zeichen · 97 Bildschirme
次郎は、それを見ると、異様な戦慄を覚えて、思わず腰の太刀をぬき払った。が、平六はそれを知ると、流し目にじろりと彼の顔を見て、
「おぬしは、お頭に付き添うていればよい。十郎の始末は、小盗人でたくさんじゃ。」と、あざけるように言い放った。
次郎は、このことばに皮肉な侮蔑を感じて、くちびるをかみながら、鋭く平六の顔を見返した。――すると、ちょうどそのとたんである。十郎を救おうとして、ばらばらと走り寄った、盗人たちの機先を制して、耳をつんざく一声の角を合図に、粉々として乱れる矢の中を、門の内から耳のとがった、牙の鋭い、狩犬が六七頭すさまじいうなり声を立てながら、夜目にも白くほこりを巻いて、まっしぐらに衝いて出た。続いてそのあとから十人十五人、手に手に打ち物を取った侍が、先を争って屋敷の外へ、ひしめきながらあふれて来る。味方ももちろん、見てはいない。斧をふりかざした平六を先に立てて、太刀や鉾が林のように、きらめきながら並んだ中から、人とも獣ともつかない声を、たれとも知らずわっと上げると、始めのひるんだけしきにも似ず一度に備えを立て直して、猛然として殺到する。