Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
びぜんめいきゅうでん
備前名弓伝
山本 周五郎
Lesen Sie 備前名弓伝 (びぜんめいきゅうでん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.649 Zeichen · 50 Bildschirme
始終せかせかとかけ廻って怒鳴りちらしているという風だった。そういう性質だから、甥の三之丞の落着きはらった態度がひどく眼につく。
「若い者はもう少しはきはきとせぬか」顔を見ると小言である。「おまえのすることを見ていると背骨をかたつむりに這われるような気持だ。こう、そのもっとてきぱきとできぬものか」
小言を云いながら独りで癇癪を起こしている。尤も三左衛門になつという娘があって、これがよく三之丞の味方をしてくれた。なつは三之丞と四つ違いで、さして美人というのではないが、思遣りの深い利巧な娘だった。
ある年の春先、三左衛門は広縁に出て庭を見ていたが、ふと庭はずれにある梨の木の高い梢に一羽の鷺が翼を休めているのをみつけ、慌てて三之丞を呼んだ。
「お呼びでございますか」「あそこを見ろ、あの梨の梢に鷺がとまっておる。見えたであろうが」「はい」「あれをここから一矢で射止めてみろ」「それでどういたします」
「どうするものか、その方が弓の稽古をはじめて五年、どれほどの腕になったかまだ見たことがない、ちょうどさいわいだから心得のほどを見てやる。さあやれ、急がぬと逃げてしまう、なにを愚図愚図しておるか」