Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あにとさかな

兄と魚

小川 未明

Lesen Sie 兄と魚 (あにとさかな) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.727 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

正二は、夏のころ、兄さんと川へいっしょにいって、とってきた小さな魚を、すいれんの入っている、大きな鉢の中へ入れて、飼っていました。

そのうちに、夏も過ぎ、秋も過ぎてしまって、魚は川にいれば、もう暖かな場所を見つけて冬ごもりをする時分なのに、鉢の中では、そんなこともできませんでした。

寒い風が、野の上や、森をふく、ある日のことでありました。

「おや、魚が死んでいる。正ちゃん、早くおいで。」と、庭へ出た兄さんが呼びました。

「かわいそうに。」と、正二はいいながら、走ってそのそばへいきました。

鉢の中には、水がいっぱいあって、すいれんの葉は、いつのまにか枯れて、水の底の方に沈んでいました。

「これは、たなごだね。」

「こいみたいだな。」

「いいや、たなごさ。かわいそうに、こんなにやせてしまって、栄養不良で死んだのだよ。」と、兄は手のひらにのせて、悲しそうに、ながめていました。

「僕、ときどき、ふをやったんだけれど。」と、正二がいいました。

「川にいれば、いろいろのものを食べるから、大きくなるのだけれど、こんないれものの中では、ほかに食べるものがないだろう。正ちゃん、あとの二匹をかわいがってやろうね。