Japanische Klassiker mit Furigana
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あにとさかな
兄と魚
小川 未明
Lesen Sie 兄と魚 (あにとさかな) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.727 Zeichen · 4 Bildschirme
」と、兄さんは、底の方にかくれるようにしている魚をのぞきながらいいました。
正二は、自分たちのいった川は、いま冷たい水が、ゴウゴウと音をたてて流れているだろうと思うと、あとの二匹をその川へ逃がす気にもなれなかったのです。
「兄ちゃん、あとのは、かわいがってやろうよ。」
「ほかのいれものに移して、お家の中へおこうね。そうして春になったら、また、ここへ入れることにしよう。」
「ごはんつぶをやろうか。」
「冬は、あまりものを食べないものだ。それより、あたたかにしてやるほうがいいのだよ。」
正二は、兄が手に持っている魚をどうするだろうと思って見ていました。
「正ちゃん、手すきを持っておいで。」と、兄は、いいました。
正二がものおきから、手すきを取り出してくると、兄はつばきの下に穴を掘りました。
「ああ、ここへうめてやるのだな。」と、正二が見ていると、兄は、落ち葉を探してきました。正二は、なにをするのだろうと、黙って見ていると、穴の下へその枯れ葉をしきました。そして、死んだ魚をその葉の上へのせました。それからまた、枯れ葉をその上へしいて、土をかけたのであります。
終わりまで、黙って、これを見ていた正二は、やさしい兄の心持ちがよくわかりました。