Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりのなかに
光の中に
金 史良
Lesen Sie 光の中に (ひかりのなかに) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.411 Zeichen · 49 Bildschirme
私は強いて笑いを作りながら彼の肩を後からそっと抱いてやった。
「そうら、あすこにアドバルンが上っているだろう」
「うん」彼は消え入りそうな声で云った。煤けた煙突や黒々した建物を越えて遠くの上野公園あたりに、二つ三つそれが尾をひいて浮んでいる。私はふと彼を温かくいたわってやりたいような気持になった。
「なあ春雄、これから先生は暇だから一緒に上野へでも行こうかい」
少年は見上げながらにっと笑った。
「じゃ行こう。先生は学校にも用事があるから丁度いい」
学校に用事があると云ったのは勿論嘘だった。そんなにも心にもないことを云う程、私は内心山田をはばかって遠慮しているのだろうか。
「へえ」彼は目をみはった。「先生も帝大なの?」彼はほんとに驚いたのに違いなかった。
「朝鮮人も入れてくれるかい?」
「そりゃ誰だって入れてくれるさ、試験さえうかれば……」
「嘘云ってらい。僕の学校の先生はちゃんと云ったんだぞ、この朝鮮人しょうがねえ、小学校へ入れてくれたのも有難いと思えって」
「ほう、そんなことを云う先生もいるのかい。それで生徒は泣いたのかい」
「うん泣くもんか、泣きやしねえよ」
「そうか、何という子供だい。