Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりのなかに
光の中に
金 史良
Lesen Sie 光の中に (ひかりのなかに) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.411 Zeichen · 49 Bildschirme
自分でも梅毒だと云った。私はもうそれが頭にまで来ているのだろうと考えた。いつかの夜半彼は妙にしんみりとなって私に質ねたものである。
「君は朝鮮のどこだい?」
「北朝鮮だ」
「おらは南朝鮮で生れたぜ」彼はずるそうに私の気色を覗うのだった。そしてひーんと打ち消すように鼻で笑ってみせた。だが私は強いて驚くような気色を見せまいとした。
「そうか」
すると彼は歯をむき出した。
「ほんとうだよ」
勿論こういう話は二人でこそこそと云いかわすのだ。
「おらあの女房も朝鮮の女だぜ」
「ほう……」私は思わず目を丸くした。
彼はいかにも小気味よさそうににやにやした。私は彼に何か訳合があるに違いないと考えた。
「朝鮮に行って貰ったのかい」
「おかしくって、面倒臭せえや。じかに洲崎の朝鮮料理屋に親方とかけ合いに行ってさ、この女をおらあの手に渡せ、でねえとこっちが承知しねえぞ、障子に火を附けてやらあとおどかしたんだ。すると野郎たち蒼くなってくれやがった訳さ」
彼はじろりと横目で私を見た。折しもさし込んで来た夜明けの月の光にその目は一層凄惨な影を宿していた。
だが翌朝はけろりとして、いつ自分がそんなことを云ったんだろうというような調子である。