Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりのなかに
光の中に
金 史良
Lesen Sie 光の中に (ひかりのなかに) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.411 Zeichen · 49 Bildschirme
それは自動車の助手をしながら夜になると英語や数学を習いに来る李という元気な若者であった。彼は戸を閉めると挑みかかるような調子で私の前に立ちはだかった。
「先生」それは朝鮮語だった。
私ははっと思った。子供たちもどういう意味かは知らないが何か嶮しい空気にけおされて、彼と私の顔をかわるがわる見守っていた。
「さあ、又後で遊ぶんだ。これから先生は用事があるんだから」と私は落着きをつくろいながら口元に微笑みさえ浮べた。
子供たちはすごすごと出て行った。だが山田春雄のまなざしばかりは異様な光を点して、さぐるようにじっと私を見つめていた。私は今だにその薄光りしていた目を忘れることは出来ない。彼は蟹のように横歩きで方々へぶち当りながらぬけ出るのだった。
「まあお掛けなさい」私は二人きりになった時静かに朝鮮語で話しかけた。「ついお互い話し合うような機会もありませんでしたね」
「そうです」李は立ったまま叫んだ。「私は実際あなたにどちらの言葉で話しかけていいか分りませんでした」彼の言葉の中には若者らしい憤りがのたうっていた。
「勿論私は朝鮮人です」という自分の答は心なしかいささかふるえを帯びていた。