Japanische Klassiker mit Furigana
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とうせいかつしゃ
党生活者
小林 多喜二
Lesen Sie 党生活者 (とうせいかつしゃ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.537 Zeichen · 130 Bildschirme
しかもその二回というのが、一度は両方に思い違いがあったからで、時間はやっぱり正確に出掛けて行っているのである。モウ一度はその日の午後になってから時計に故障があったことを知らなかったからであった。他のものならば一度位来ないとしても、それ程ではなかったが、ヒゲが来ない、予備にまで来ないという事は私達には全たく信ぜられなかった。
「今日はどうなんだ?」
「ウン、昨日と同じ処を繰りかえすことになってるんだって。」
「何時だ。」
「七時――それに喫茶店が七時二十分。で俺はとにかくその様子が心配だから、八時半に上田と会うことにして置いた。」
私は今晩の自分の時間を数えてみて、
「じゃ、オレと九時会ってくれ。」
私達はそこで場所を決めて別れた。別れ際に須山は「ヒゲがやられたら、俺も自首して出るよ!」と云った。それは勿論冗談だったが、妙に実感があった。私は「馬鹿」と云った。が彼のそう云った気持は自分にもヨク分った。――ヒゲはそれほど私たちの仲間では信頼され、力とされていたのである。私達にとっては謂わば燈台みたいな奴だと云っても、それは少しも大げさな云い方ではなかった。事実ヒゲがいなくなったとすれば、第一次の日からして私達は仕事をドウやって行けばいゝか全く心細かった。