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Japanische Klassiker mit Furigana

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にゅうしゃのじ

入社の辞

夏目 漱石

Lesen Sie 入社の辞 (にゅうしゃのじ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.081 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

余の講義のまずかったのも半分は此犬の為めである。学力が足らないからだ抔とは決して思わない。学生には御気の毒であるが、全く犬の所為だから、不平は其方へ持って行って頂きたい。

大学で一番心持ちの善かったのは図書館の閲覧室で新着の雑誌抔を見る時であった。然し多忙で思う様に之を利用する事が出来なかったのは残念至極である。しかも余が閲覧室へ這入ると隣室に居る館員が、無暗に大きな声で話をする、笑う、ふざける。清興を妨げる事は莫大であった。ある時余は坪井学長に書面を奉て、恐れながら御成敗を願った。学長は取り合われなかった。余の講義のまずかったのは半分は是が為めである。学生には御気の毒だが、図書館と学長がわるいのだから、不平があるなら其方へ持って行って貰いたい。余の学力が足らんのだと思われては甚だ迷惑である。

新聞の方では社へ出る必要はないと云う。毎日書斎で用事をすれば夫で済むのである。余の居宅の近所にも犬は大分居る、図書館員の様に騒ぐものも出て来るに相違ない。然しそれは朝日新聞とは何等の関係もない事だ。いくら不愉快でも、妨害になっても、新聞に対しては面白く仕事が出来る。