Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
こうして魔神宗介様は多数の眷族を従えられ、いよいよ益人間に向かって惨害をお下しなされるうち、世はやや治まって信長時代となりさらに豊臣時代となりとうとう徳川時代となった。宗介様の肉体はとうにこの世を辞したけれど、魂尚神となってこの谿谷に残っておられる筈だ。そうして我々眷族の子孫は窩に住むため窩人と呼ばれ人界の者どもに恐れられ、今日までここに住んで来た。ところが……」
と窩人の長の、杉右衛門は屹と眼を瞋らせ、彼の前にずらりと並んでいる五百に余る窩人の群を隅から隅まで睨み廻したが、
「ところがこの頃どこから来たものか白法師と自分から名を宣る奇怪な法師がこの山へ来て、『敵を愛せよ』というようなことを熱心に説法し出した。そうだ、これとて不届き千万ではあるが、それにも増して許し難いのは窩人の身分でありながら、その白法師めの説法を窃かに信じる者があり、宗介天狗を勧請した天狗の宮の境内で毎夜毎夜集会をなし、その白法師を呼び迎え説法を聞く者があるということじゃ。これは我々の宗教から見て許し難い罪悪じゃ! 見出してこの山から追い出さねばならぬ。何んとそうではあるまいかな?」