Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
「よく私には解りませんが」
「当家のお世継ぎはどなたであったな?」
「それは逝去られた金一郎様で」
「金一郎様逝去き今は?」
「ご次男金二郎様でございましょうが?」
「金二郎様が逝去なられたら?」
「先生先生何をおっしゃるので! 甚だもって不祥なお言葉で」
「まあさ、これは仮定だよ。……金二郎様なき後は誰が内藤家を継がれるな?」
「もう継ぐお方はございません」
「と云う意味は駿河守様には、お二人しかお子様がないからであろうな?」
「そういう意味でございます」
「しかしお世継ぎがないとあっては、内藤家は断絶する」
「大変なことでございますな」
「大変なことさ。とんでもないことさ。だからどうしても他の方面から、至急お世継ぎを持って来なければならない」
「ははあ、ご養子でございますかな?」
「うん、そうだ、ご近親からな。一番近しいご親戚からな」
「これは、ごもっともでございますな」
「ところがどなたが内藤家にとって一番近しいご親戚かな?」
「さあ」と云って考えたが、「森帯刀様でございましょう」
「そうだよそうだよ、森帯刀様だよ」
こう云うと北山は微妙に笑ったが、
「どうだ」とやがて促すように云った。