Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
「さようでござるかな。お強いは致さぬ」
で玄卿は茶器を片付けた。
それから二つ三つ話があった。
と、葉之助は次第次第に引き入れられるように眠くなった。
「これはおかしい」とこう思った時には、全身へ痲痺が行き渡っていた。
「ううむ、やっぱり毒であったか!」
葉之助は切歯した。それから刀を抜こうとした。ただ心があせるばかりで手が云うことを聞かなかった。
「残念!」と彼は喚くように云った。しかし言葉は出なかった。ただそう云ったと思ったばかりで、その実言葉は舌の先からちょっとも外へは出なかった。
彼は前ノメリに倒れてしまった。
しかしそれでも意識はあった。
それから起こった出来事を、彼はぼんやり覚えていた。
……まず二、三人の男の手が、彼を宙へ舁き上げた。……縁から庭へ下ろされたらしい。……穴を掘るような音がした。……と、提灯の灯が見えた。……茴香畑が見えて来た。……花が空を向いていた。……一人の男が穴を掘っていた。……大きな穴の口が見えた。……彼はその中へ入れられた。……バラバラと土が落ちて来た。……おお彼は埋められるのであった。……もう何んにも見えなかった。