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Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

この物語に現われた、あらゆる人達は一人残らず、地球の表から消えてなくなり、その人達の後胤ばかりが、残っているという事になった。

しかし本当に久田の姥の、あの恐ろしい呪詛の言葉が、言葉通り行われているとしたら、主人公の鏡葉之助ばかりは、依然若々しい容貌をして、今日も活きていなければならない。

だがそんな事があり得るだろうか?

あらゆる不合理の迷信を排斥している科学文明! それが現代の社会である。スタイナッハの若返り法さえ、怪しくなった今日である。天保時代の人間が、活きていようとは思われない。

三一

大正十三年の夏であった。

私、――すなわち国枝史郎は、数人の友人と連れ立って、日本アルプスを踏破した。

三千六百〇三尺、奥穂高の登山小屋で、愉快に一夜を明かすことになった。

案内の強力は佐平と云って、相当老年ではあったけれど、ひどく元気のよい男であった。

「こんな話がありますよ」

こう云って佐平の話した話が、これまで書きつづけた「八ヶ嶽の魔神」の話である。

「ところで鏡葉之助ですがね、今でも活きているのですよ。この山の背後蒲田川の谿谷、二里四方もある大盆地に、立派な窩人町を建てましてね、そこに君臨しているのです。