Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
犯せる罪を浄めるために浄罪の時を与え給え。――神の怒りは火となりて我らの五体を焼き給うとも我らは永劫に悔いざらん。アーメン」
「アーメン」
「アーメン」
と二人の姉妹もそれに続いてさも恭しくこう云った。
「お祈りはもう済みました。お休みなさりませ、お休みなさりませ」
尼は云い捨てて立ち去った。室内は再び静かになった。と、遠くから祈祷の声が讃歌のように響いて来る。尼達が合唱しているのであろう。
久田姫は立ち上がり何気なく窓へ近寄って行ったが、
「……おお湖は真っ暗だ。どうやら嵐が出たらしい。濤の音が高く聞こえる……ああ湖の上に灯が見える。あそこに船がいるのかも知れない。だんだんこっちへ動いて来る。路案内の灯でもあろう。……」
姉の柵は龕の前に尚つつましくひざまずいていた。熱心にお祈りをしているのであった。すすりなきの声がふと洩れる。
「お姉様」
と云いながら久田姫は窓を離れ姉の後ろへ寄り添った。
「何をお泣きなされます。妾がくどくあのような事をお尋ねしたからでございますか? ……もう妾はお父様のことは何んにもお尋ね致しませぬ。どうぞお許しくださいまし」
隣りの部屋へ歩きながら、