Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

「本来私はこの場にはお稽古拝見に上がりましたもの、仕合の儀は幾重にも辞退致さねばなりませぬが剣道は私も好むところ、且つは再三のお勧めもあり……」

「それではお立ち合いくださるか?」

「未熟の腕ではござりまするが……」

「それは千万忝けない」

してやったりとニタリと笑い、「して打ち物は?」

「短い竹刀を……」

「しからばご随意にお選びくだされ」

ワッと一同これを聞くと思わず声を上げたほどである。

つと立ち上がった葉之助はわずか一尺二寸ばかりの短い竹刀を手に握ると仕度もせず進み出た。

「あいや鏡氏、お仕度なされ」

見兼ねたものかこの時初めて石渡三蔵が声を掛けた。

「私、これにて充分にござります」

「面も胴も必要がない?」

「一家中ではござりまするが流儀の相違がござります。他流試合真剣勝負、この意気をもって致します覚悟……」

「ははあさようかな。いやお立派じゃ……ええとしからば白井氏も、面胴取って立ち合いなされ」

「これはどうもめんどうなことで」

白井誠三郎不承不承に面や胴を脱いだものの、ここで三分の恐れを抱いた。

居流れていた門弟衆も、これを聞くと眼を見合わせた。

「何んと思われるな佐伯氏? この試合どう見られるな?」