Japanische Klassiker mit Furigana
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さいはんについて(『わたしたちのけんせつ』)
再版について(『私たちの建設』)
宮本 百合子
Lesen Sie 再版について(『私たちの建設』) (さいはんについて(『わたしたちのけんせつ』)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.196 Zeichen · 3 Bildschirme
どれ一つとってみても、日本の民主化と云われている社会現実の上に、幾重にも折りたたまっている封建の野蛮と無智がおそろしく身に迫る事件ばかりだが、なかに二人のやしない子を育てる苦しさから配給の二重どりしていたのを告発され、懲役になっている中年の女の話があった。みなさまから頂くもので、こんにちの事情の中にあってさえ一つの闇買いもしないで過せる首相の妻という立場にいたら、この四十七歳の人妻も前科者にはならなかった。自分で、物価の統制に関する法律が悪法であると明言しながら、それが法律であるからにはひとにも厳格に適用し、自分もそれで死ぬことをむしろいさぎよしとしたこの判事の悲劇は、「葦折れぬ」の純情がその社会問題のうけとりかたでは文部省版であったことの遺憾さとともに、わたしたちを考えさせずにいない。
人間がよりよく生きるためにつくる法律を、人間の力で変えられない「国家の法律」と絶対に視るこころもちは、これらの特別な人だけの気持とばかり云えない。わたしたちは、もっともっと自分たちの現実を自分たちのものとして改善してゆく熱意を自覚すべきだし、その具体的な方法のために智慧と勇気とをもたなければならないと思う。