Japanische Klassiker mit Furigana
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ふゆのはなび
冬の花火
Lesen Sie 冬の花火 (ふゆのはなび) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.986 Zeichen · 44 Bildschirme
(おどけた口調で)要するにね、食べたいものを何でも、たくさん召上ったらなおるのよ。数枝という女博士の診断なら、そうだわ。
(あさ)(厳粛に)数枝、あたしはもう、なおりたくない。こうしてお前に看病してもらいながら早く死にたい。あたしには、それが一ばん仕合せなのです。
茶の間の時計が、ゆっくり十時を打つのが聞える。
(数枝)(あさの言う事に全く取り合わず、聞えぬ振りして)あら、もう十時よ。(立上り)葛湯でもこしらえて来ましょう。本当に、何か召し上らないと。(言いながら上手の障子をあけて)おお、きょうは珍らしくいいお天気。
(あさ) 数枝、ここにいてくれ。何を食べても、すぐ吐きそうになって、かえって苦しむばかりだから。どこへも行かないで、あたしの傍にいてくれ。お前に、すこし言いたい事がある。
(数枝)(障子を静かにしめて、また病床の傍に坐り、あかるく)どうしたの? ね、お母さん。
(あさ) 数枝、お前はもう、東京へは帰らないだろうね。
(数枝)(あっさり)帰るつもりだわ。お父さんはあたしに、出て行けと言ったじゃないの。そうして、あの日からもう、あたしにはろくに口もききやしないんだもの。