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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

ロマンス抜きの理解

と私は年の寄ったことを子供で証明した。

「もうそんなになったかね」

「早いものさ」

「お互に白くなったり禿げたりする筈だよ」

「君のところは子供がないから淋しかろう」

「僕は平気だが、妻が苦情を言うから、妻の弟の子を一人貰うことにしてある」

「奥さんには長くお目にかゝらないが、相変らず太っているかい?」

「然うだね」

「そら、始まった」

「デップリした中婆さんになったよ。時に奥さん」

と五味君は思い出して、

「河原老先生はもう何年になりますか?」

と訊いた。

「浩子の生れた年でしたから、丁度十九年でございます」

と妻が答えた。妻はその初め私に蕎麦切りの天ぷらを御馳走してくれた令嬢だ。縁あって夫婦になった経緯が一向ロマンチックでなくて、凡人の面目を躍如たらしめる。

ロマンス抜きの理解

初めての暑中休暇が来て、私は郷里へ帰った。独身で金がかゝらないから、俸給が半分残っていた。その中五十円を母親に渡して、

「お母さん、何も買って来ませんでしたから、お土産です」

と言った時、私は自分ながら孝行息子だと思った。

「まあ、こんなに貰っても宜いの?」

と母親が驚いた。

「未だこんなにあるんです。