Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
「東京へ越すんだってね? この間学報で見た」
「もう越したよ。今度来たら、寄ってくれ給え」
「実は僕も東京へ帰ろうと思っている。いつまでも田舎にいると子供の教育が出来ない」
と私は最近の決心を打ち明けた。
「一体、君はこゝで幾ら貰っているんだ?」
「そんなことは訊いてくれるな」
「何故?」
「迚もお話にならないんだ」
「しかしもう教頭だろう?」
「教頭の次さ」
「それじゃ三百円も貰っているのか?」
「何うして/\」
「ふうむ」
「何しろ十人だからね。校長になったって追っつかない」
「そんなに苦しいなら、僕が何とかしようか?」
「宜いよ」
「君のことだから小理窟があるだろうな。しかし見す/\困るんじゃないか?」
「東京へ行って私立学校を稼ぐさ」
「それじゃ君、東京の口を僕に探させろ」
「畑違いじゃないかい?」
「手を廻すよ。会社の口だとお手のものだが、何うにかなる積りだ」
「誰か校長を知っているのかい?」
「知らん。しかし私立学校には金主ってものがある」
「それはある筈だね」
「僕のところへは種々なことを持ち込んで来る奴が毎日二人や三人はあるんだから、交換条件で行くよ。しかし幾ら取れば宜いんだい?」