Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
「学問も豪いですが、人物が豪いです。あゝいうのを大人物というのでしょうな」
「西郷隆盛ですか?」
「西郷隆盛が神さまを信じたら、あゝいう風になったかも知れません。私はツク/″\感心したことがあります」
「はゝあ」
「私が五年生の時でした。或日、ジョンソン博士のコックが私のところへ泣いて来ました」
「コックって何ですか?」
と私は分らないことが多い。何しろ日清戦争直後の小学生だ。それも田舎に育ったのである。その積りで万事同情を願いたい。
「料理をする人です。このコックは余り善くない人間でした。博士の家の賄をしていて、儲けたいと思っていましたが、博士は倹約ですから、無駄なことをしません。私のところへ来て、博士も奥さんもケチで困ると言ったことがありました。それで到頭厭になったと見えて、博士にお暇を願い出たのです。すると博士は『何、気に入らんか?』と訊きました」
「日本語が出来るんですか?」
「変な日本語です。コックは親が病気だから郷里へ帰ると答えました。博士は『それ、お気の毒。このお金、お見舞に上げる。それから』と言って立って行って、銀行の通帳を持って来ました。『このお金、皆、あなたのもの。