Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
第一印象
「それじゃ考えものだぞ」
「いけない/\」
「ハッハヽヽヽ」
「君、富士山が見える」
と私は指さした。
その日、私達が事務室へ行って入学金と授業料を納めているところへ、又一人の同級生が着いた。此奴が現在の成金赤羽君だった。猪股先生は私達を紹介して、
「新入生は君達三人きりらしい。尤も中学部から来るのが六人ある」
と言った。
「私は群馬県の産、赤羽明と申します。何分宜しく」
と赤羽君は鄭重にお辞儀をした。
「宜しく」
と野崎君は肩を怒らせて睨みつけた。悪い癖だ。直ぐに喧嘩を売りかける。
第一印象
群馬県の産、赤羽君は矢張り寄宿舎へ入って、私達の隣室に落ちついた。荷物を片付けると直ぐに出て来て、
「好い学校ですな。僕は西洋館は初めてです」
とニコ/\した。
「群馬県の学校は藁葺きですか?」
と野崎君が冷かした。
「学校は皆西洋館ですけれど、寄宿舎の話です」
「僕達の方じゃ寄宿舎も皆西洋館です」
「何処ですか?」
「静岡県です」
「随分進んでいるんですね」
と赤羽君は争わなかった。
「新入生が僕達三人きりとは心細いですな」
と私は話題を変えた。野崎君は喧嘩を売る気だ。始まれば私が同県人だから加勢につくと信じている。