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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅっけものがたり

出家物語

坂口 安吾

Lesen Sie 出家物語 (しゅっけものがたり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.838 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

幸吉はふところから用意の札束をとりだして、

「こんなこと、恥をかゝせるみたいなものだが、事務員して二人の子供を育てちゃア、大変なことさね。気を悪くしないで、納めてもらいたい」

「そんな心配いらないわ」

キヨ子は極めて無頓着に幸吉の手に札束を返した。

「私の気持だけだから、私にも恥をかゝせないで、納めて下さいよ」

「私、男の人からお金もらったりすること、きらいよ。働いてると、時々、そんなことする人あるけど」

「だって、お前、私の場合は、もう他人じゃないんだから」

「だって、淫売みたいだから、いやだわ。お金に買われたみたい、いやだもの。私、ノンビリしていたいのよ。だから、もう、結婚なんて、考えたくないの」

「だって、見合いをしようという気持を起したじゃアないか」

「あれは気持の間違いですもの。それに公報はきたけれど、公報のあとに本人が復員することも屡々あるそうですもの。だから、夫を待ってるわ」

「それは済まなかったなア。それでも公報はきたことだから、一度、こうなっても、まんざら御主人に顔向けがならねえというワケでもないぜ。だから私も結婚は、あきらめるから、まア、然し、これは、納めて下さいよ。