Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しょとうのにっきから

初冬の日記から

寺田 寅彦

Lesen Sie 初冬の日記から (しょとうのにっきから) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.930 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

これも赤のあとには青が出、青のあとにはまた赤が出るのである。

これを書き終った日の夕刊第一頁に「紛糾せる予算問題。急転! 円満に解決」と例の大きな活字の見出しが出ている。そうして、この重大閣議を終ってから床屋で散髪している○相のどこかいつもより明るい横顔と、自宅へ帰って落着いて茶をのんでいる特別にこやかな△相の顔とが並んで頼もし気に写し出されている。ここにも緊張の後に来る弛緩の長閑さがあるようである。「試験」が重大で誠意が熱烈で従って緊張が強度であればあるほどに、それを無事に過ごしたあとの長閑さもまた一入でわれわれの想像出来ないものがあるであろうと思いながら、夕刊第二頁をあけると、そこには、教育界の腐敗、校長の涜職事件や東京市会と某会社をめぐる疑獄に関する記事とが満載されている。これらの記事がもし半分でも事実とすると、東京市の公共機関の内部には、ゆるみきりにゆるんでしまって、そうして生命を亡って腐れてしまった部分がいくらかはあると見える。新聞ばかり見ていると東京も日本も骨髄まで腐れているかと思うこともあるが、そうでもないと思われるたしかな証拠もなくはない。