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Japanische Klassiker mit Furigana

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はつこい

初恋

矢崎 嵯峨の舎

Lesen Sie 初恋 (はつこい) von 矢崎 嵯峨の舎 (やざきさがのや) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.226 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

平常は自分はいつも稽古に往ッていて、夜でなくては家にはいない、それゆえ何事も知らずにいたが、今宵始めて聞いた,娘は今度逗留中かねて世話をする人があッて、そのころわが郷里に滞在していた当国古河の城主土井大炊頭の藩士某と、年ごろといい、家柄といい、ちょうど似つこらしい夫婦ゆえ、互いに滞留しているこそ幸い、見合いをしてはと申し込まれたので、もとより嫁入り前の娘のことゆえ、叔父もたちまち承諾して見合いをさせたところ、当人同志の意にもかない、ことに婿になる人が大層叔父の気にかなッたとやらで、江戸へ帰ッたらば、さらに仕度をさせて、娘を嫁入らせるということを聞いた。

これを聞いた自分の驚きはどんなであッたろう、五分も経たぬうち、自分はもウわが部屋で貌を両手へ埋めて、意気地もなく泣いていた。

その夜臥てから奇妙な夢を見た、と見れば、自分は娘と二人でどこかの山路を、道を失ッて、迷ッている。すると突然傍の熊笹の中から、立派な武士が現われて、物をも言わず、娘を引ッさらッて往こうとした。娘は叫ぶ、自分は夢中、刀へ手を掛ける、夢中で男へ切りつける、肩口へ極深に、彼奴倒れながら抜打ちに胴を……自分は四五寸切り込まれる、ばッたり倒れる、息は絶える,娘はべッたりそこへ坐ッて、自分の領をかかえ抱き起して一声自分の名を呼ぶ,はッと気がつい