Japanische Klassiker mit Furigana
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はつつぼみ
初蕾
山本 周五郎
Lesen Sie 初蕾 (はつつぼみ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.525 Zeichen · 35 Bildschirme
半之助が学塾の助教を免ぜられたのは、彼の才能を嫉む人たちの讒誣であった、学問をし儒学にはいれば老壮を敲くのは自然である、朱子以外に眼をつむることは、単に御用学者としても怠慢といわなければなるまい、半之助が塾生に老子の講義をしたのなら別だが、異端の風があるなどという漠然とした理由で、結局つめばらを切らされたかたちになったときは、親としてずいぶん不憫にたえなかったのである。それから性格が変って、酒を呑んだり、茶屋でいりをするようになり、ついに森田との間違いを起したのだが、そんな風に気持の崩れていった原因を思うと、彼だけを憎むわけにはいかなかった。この頃ではむしろどこかで無事に生きているように、強くたちなおって呉れるようにとひそかに祈ってさえいるくらいだった。
「そうだ、半之助も今どこかで人の情けをうけて暮しているかもわからない」
良左衛門は冷えきった朝寒から赤児をまもるように、布子を頭のまわりに掻き寄せながら、しずかに火桶の側を立った。
おまえにその気持があるなら育ててみよう、そう云われたときはま女の眼には一種の感動があらわれた。彼女もまた良左衛門と同じ気持を良人の上に感じたのである。