Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
あなたがいらしったら、一寸電話口まで出て戴きたいって、そう言って来ているんですが。……」
私は、そうかと言って電話に出たが、固より「えゝ/\。」と言うより仕方がなかった。
女中は、商売柄、「まことにお気の毒さまねえ、今晩だけ他な女をお遊びになっては如何です。他にまだ好いのもありますよ。」と言ってくれたが、私はお宮を見付けてから、もう他の女はじ向いて見る気にもならなかった。
まだ浅い馴染とはいいながら、それまでは行く度に機会好く思うように呼べたが、逢いたいと思う女が、そうして他の客に連れられてお酉さまに行った、と聞いては、固より有りうちのことと承知していながらも、流石に好い気持はしなかった。そういう女を思う自分の心を哀れと思うた。
「いや! また来ましょう。」と其家を出て、そのまゝ戻ったが、私は女中達に心を見透かされたようで、独りで恥かしかった。さぞ稍然として見えたことであろう。
戸外は寒い風が、道路に、時々軽い砂塵埃を捲いていた。その晩は分けて電車の音も冴えて響いた。ましてお酉さまと、女中などの言うのを聞けば、何となく冬も急がれる心地がする。
「あゝ詰らない/\。