Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

……戸外はさぞ寒かったろう。さッ、入ってお寝!」

「本当に済みませんでしたねえ、随分待ったでしょう。」此方に顔を見せて微笑んだ。

「さあ/\そんなことは何うでも好いわ……。」けれどもそれは女の耳に入らぬようであった。

「はあッ……私、困ったことが出来たの。」声も絶え/″\に言った。

「困った。……何うしよう? ……言って了おうか。」と一寸小首を傾けたが、「言おうかなあ……言わないで置こうかッ。」と一つ舌打ちをして、「言ったら、さぞあなたが愛想を尽かすだろうなあ!」と独りで思案にくれて、とつおいつしている。私は、やゝ心元なくなって来た。

「何うしたの? ……私が愛想を尽かすようなことッて。何か知らぬが、差支えなければ言って見たら好いじゃないか。」私はその時些と胸に浮んだので、「はあ! じゃ分った! 私の知った人でも遊びに来たの?」と続けて訊いた。

「否む!」と頭振を掉った。私も幾許何でもまさか其様なことは無いであろうと思っていたが、あんまり心配そうに言うので、もし其様なことででもあるのかと思ったがそうでなくって、先ずそれは安心した。

「じゃ何だね? 待たして焦らしてさ! 尚おその上に唯困ったことがある、困ったことがある。