Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
長田の心では雪岡はまた女に凝っている、あの通り、長い間一緒にいた女とも有耶無耶に別れて了って、段々詰らん坊になり下っている癖に、またしても、女道楽でもあるまい、と、少しは見せしめの為にその銭は渡すこと相ならぬ、という積りなのであろうか。それならば難有い訳だ。が、否! あの人間の平常から考えて見ても、他人の事に立入った忠告がましいことや、口を利いたりなどする長田ではない。して見れば、此の、その銭は渡されぬという簡単な文句には、あの先達ての様子といい、長田の性質が歴然と出ている。これまでとても、随分向側に廻って、小蔭から種々な事に、ちびり/\邪魔をされたのが、あれにあれに、あれと眼に見えるように心に残っている。此度はまた淫売のことで崇られるかな、と平常は忘れている、其様なことが一時に念頭に上って自分をば取着く島もなく突き離されたその上に、まだ石を打付けられるかと、犇々と感じながら、
「ふむ/\。」と、独り肯き/\唯それだけの手紙を私はお宮が、
「それは何?」
と、終に怪しんで問うまで、長い間、黙って凝視めていた。それ故文句も、一字一句覚えている。
お宮にそう言われて、漸と我れに返って、「うむ。