Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれのじ
別れの辞
豊島 与志雄
Lesen Sie 別れの辞 (わかれのじ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.330 Zeichen · 37 Bildschirme
彼女をよく見ていると、どんなことでもやりかねない危険さが感じられた。
「あたし今日はお客よ。」
そして彼女は杯を斜に取上げたが、すぐに、他の芸者たちと、そして殊に清子と、内緒話を初めた。
島村が間もなくやってきた。彼は私達の方を見やって、一寸眉をひそめたが、黙っておけいの方へ行った。だいぶ長く話していた。
私達の方へ来て、一通り会釈をする時、彼はなぜか顔をほんのり赤らめた。静葉が立上っていって、彼と何か囁き合った。彼は静葉のあとの席に坐った。二室ぶっ通しに使っていたが、狭い室なので、窮屈だった。島村に黙りがちで、煙草ばかり吹かしていた。彼の眼は先達より穏かで、なまなましい額には、淡く血色が出ていたが、何となく病的な疲労の感じがにじんでいた。
そこへ、おけいが出てきて、一座をまぜっ返してしまった。一座は土間の腰掛の方へまで拡がった。私は何か不安な気持が消えないで、我知らずいろんなことに注意をしていたが、それでも酔っていって、もう記憶は断片的なものに過ぎない。
清子が静葉にたのんで、煙草を買いにやらしてもらった。どこかで、宮崎に電話でもしたものらしい。