Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくこく
刻々
宮本 百合子
Lesen Sie 刻々 (こくこく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.401 Zeichen · 73 Bildschirme
「私はね、それが正しいことだとさえ分れば、よろこんでお前の踏台になりますよ。ああ、命なんぞ、どうせ百年生きるものじゃないから、未練はない。だが、どうも私には一点わからないことがある。――国体というものを一体お前はどう思っているのかい?」
署長は、廻転椅子の上で身じろぎをし、主任は、隅で胡麻塩髯のチビチビ生えた口許を動かす。
自分は、
「……相変らずね!」
と、全場面に対して湧き起る顫えるような憎悪を抑制して苦々しく笑い、
「そういう議論を、こんなところではじめたってお互の為にろくなことはないんだからね。やめましょう」
母親は、不服げに、十分意味はさとらず、然しぼんやりそれが何か不利を招くと直覚して黙り込む。だが、すぐ別のことから、同じ問題へ立ち戻る。
親たちの日常生活は勤労階級の生活でなく、母親は若い頃からの文学的欲求や生来の情熱を、自分独特の型で、些か金が出来るにつれ、その重みも加えて突張って暮して来た。社会の実際とは遠くあった。弘道会という今日では全く反動的な会へ、自分の父親が創設した因縁から始終出入りしていた。マルクシズムに対して母親の感情へまで入っている材料は、その会で博士とか伯爵とかが丁寧な言葉づかいで撒布するそのものなのであった。