Japanische Klassiker mit Furigana
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そうさくじんぶつのなまえについて
創作人物の名前について
夢野 久作
Lesen Sie 創作人物の名前について (そうさくじんぶつのなまえについて) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.228 Zeichen · 12 Bildschirme
個性の問題と思う。
探偵小説の中では、昔風に悪人と善人とを区別しなければならない場合が非常に多い。ズット昔(今でも歌舞伎なぞ)では悪人の人相が悪く、名前までも毒々しいが、この頃では……特に探偵小説の中では……人相の柔和な、美しい人物が思いもかけぬ大悪党だったり、札附の前科者が善人であったりしなければならない事が多いのだから、そんな感じの名前を最初から考えておく必要がある。衷心から気心の優しそうな名前の人間が、最後に手錠をかけられるような事を書くと、前にも述べたような理由で読者は何となく欺むかれたような不満を感ずる虞があるのだからそのヤヤコシイ事一通りでない。
第二の条件は、その人物の風采が苗字だけ、もしくは名前だけでもスラリと眼に浮ぶような名前を附けなければ損である。もちろんそのうらを行って現実性を強める方法もないではないが、普通の場合、岩山銅蔵という美少年だの、青柳美代吉なんという醜怪な兇漢なぞは落第である。トラ子と花子と二人並べたら花子の方が美人にきまっているし、松子と清子なら清子の方が病身にきまっている。大山壮太郎が小男で、小川一平が雲突く大男と書いたら読者はちょっと首をひねるであろう。