Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせいき
創生記
Lesen Sie 創生記 (そうせいき) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.374 Zeichen · 24 Bildschirme
幾日か経って、杉山平助氏が、まえの日ちらと読んだ「山上通信」の文章を、うろ覚えのままに、東京のみんなに教えて、中村地平君はじめ、井伏さんのお耳まで汚し、一門、たいへん御心配にて、太宰のその一文にて、もしや、佐藤先生お困りのことあるまいかと、みなみな打ち寄りて相談、とにかく太宰を呼べ、と話まとまって散会、――のち、――荻窪の夜、二年ぶりにて井伏さんのお宅、お庭には、むかしのままに夏草しげり、書斎の縁側にて象棋さしながらの会話。
「若しや、先生へご迷惑かかったら、君、ねえ、――。」
「ええ、それは、――。けれども、先生、傷がつくにも、つけようございませぬ。山上通信は、私の狂躁、凡夫尊俗の様などを表現しよう、他にこんたんございません。先生の愛情については、どんなことがあろうたって、疑いません。こんどの中外公論の小説なども、みんな、――」
「うん、まあ、――。」
「みんな、だまって居られても、ちゃんと、佐藤先生のお力なのです。」
「そうだ、そうだ。」
「忘れようたって、忘れないのだし、――」
「うん、うん、――」
だんだん象棋の話だけになっていった。