Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かご

加護

宮本 百合子

Lesen Sie 加護 (かご) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.147 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

心安だてに、案内も待たず鴨居につかえるような体をずっしりと運んで来たお幾を見ると、彼女は思わず縫物を手からおいて悦んだ。

「まあ丁度好いところへ来て下すったこと。お寒いのによく来て下さいましたね、さあこちらへ。冷えるからお厭でなかったらあなたもお当りなさいな。淑子さん、あついお茶を入れて上げて頂戴」

お恵さんはほんとに嬉しそうに、拡げた縫物を片寄せながら、わざわざ肥ったお幾のために凭(より)かかりのある壁際の席をあけた。

「毎日毎日しぐれたお天気ですことね、しかたがないからこんなことをしております、木魚のお布団ですよ、綺麗でしょう?」

お恵さんは今まで縫っていたらしい友禅模様の小布を抓(つま)み上げて、ヒラヒラ動かしながら微かに笑った。

けれども、友達の赤くかさかさになった眼の廻りや、濡れたままこわ張ったような頬の色を、どうして見のがすことが出来よう。

「お恵さん、あなたは駄目ですよ、そうやって独りで思い出しちゃあ泣いていらっしゃるんだもの。さあさあ、もうそんな縫物はおやめおやめ、そんなものを持出すから尚気が滅入っておしまいなさるんじゃあありませんか」