Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
「言うことがいつも定っているから癪に障る」
「スパイがついているってのは嘘だろうね?」
「いや、調査中なら、ついていると見なければならない。しかし僕だって然う/\は続かないよ。もうソロ/\油が切れる」
と菊太郎君も、この辺が本音だろう。
「実は僕も感心しているんだ」
「万事お預けだからね。苦しいよ」
「一つどうだい? 好いところを発見したから、つれて行ってやろうか?」
「御免だ」
「この間から訊こうと思っていたが、君はこの頃毎朝早いのかい?」
「うむ。五時に起きて散歩する」
「それじゃその誤解だな」
「何が?」
「市※の若旦那は夜泊りをして毎朝早く帰って来るって評判だ」
「冗談じゃないぜ」
「家の女中が言っていたよ。散歩の帰りを見かけたんだろう」
「迷惑千万だ」
「スパイがそんな早合点をして注進したのかも知れないよ」
と僕は諢ってやった。
「当り前なら、もう疾うに此方の写真を要求する筈だ。先方からは寄越さないにしても」
「成程。此方の馬面は御存知ないんだね」
「何だって?」
「ハッハヽヽ」
「僕はあれから何枚も写して持っているんだ」
「一つ高野君に持って行って貰ったら何うだね?」
「それも考えている」