Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かちうんまけうん

勝ち運負け運

佐々木 邦

Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme

Aozora Bunko

と矢田さんが受けた。

「僕は市岡君とは同じ年の同じ月の同じ日に生れて、小学校中学校大学ともズッと同級で、現在も隣り同志の同業でございます」

「はゝあ。成程これは特別の御関係ですな」

「市岡君のことは何でも知っている積りでございますから」

奥さんは妙な人間が現われたと思ったのか、僕の顔をじっと見ていた。実際、僕としては出る幕でなかったかも知れない。力瘤を入れ過ぎて、少し常識を欠いたような心持がした。

「実は、その、金子さん」

と矢田さんは名刺を透して見て言うのだから心細い。

「はあ」

「先口が二つあって、その方からヤイ/\言われたものですから、市岡さんの方はまだ白紙のまゝですよ」

「はゝあ」

「何れ書き込みの時、御相談申上げることになりましょうから、その節は何分宜しくお願い申上げます」

「承知致しました。真に差出がましくて申訳ございません」

「いや、一向。親友のことをお案じになるのは御道理です。決して御遠慮には及びません。私もお近づきになって仕合せです。御商売のお話でもどうぞ御ゆっくり」

折から果物を薦めた人は先にお茶を持って来た女中でなかった。妙に見知り越しの感じがすると思った刹那、視線が行き会った。