Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
伯仲の間
伯仲の間
僕も菊太郎君も要するに偉人ではないらしい。連れ添う女房子供が申合せたように保証しているのだから、その方の資格は諦めた。しかし唯の凡人として僕と菊太郎君は何方が豪いだろう? 僕の頭は当然そこへ行った。同時に僕は自分を客観的に見る余裕があるから、矢張りこんなことを考えるところが凡人の証拠だろうと気がついた。何うせ凡人を免れない。世の中はドン栗の丈較べだ。何方のドン栗の丈が高いか? 詰まり凡人としての二人の生活を有りのまゝに描けばよいのである。
再び万年筆を執って、沈吟しているところへ、妻が上って来た。
「あなた」
「何だい?」
「もうお食事よ」
「よし/\。凡人として……」
「偉人なんてことは諦めて戴きますよ」
「うむ」
「スーパーって言葉があるでしょう?」
「ある。超特級だ」
「それよ。スーパー凡人ってのよ。あなた方は」
「ひどいことを言やがる」
「諜し合せて、晩に何処へお出掛けになりますの?」
「お前立聞をしていたのかい?」
「いゝえ。只今お隣りの奥さんから、この帯留へ通信が響いて参りました。警戒して下さいって」
「そんな子供瞞しのようなことを言っても駄目だ。菊太郎君なら兎に角」