Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
註文のつく間は確かに未だ脈がある。山の手の烏が来れば、菊太郎君がこの上ともズドンをやってくれる約束だ。斯う考えて見ると、無暗に悲観したものでもない。
しかし僕の学才は矢張り莟のまゝで萎む運命を持っていた。人の所為にするのではないが、本科に進んでから未だ学校が始まらない中に、菊太郎君はもう決心が生返って、
「日出男君」
「何だい?」
「君と僕は普通の学生と違う。僕は始終然う思っているんだけれど、何んなものだろう?」
と因縁をつけるのだった。
「別に違うこともないだろう」
「あるんだよ。普通の学生は就職が目的だ。卒業すれば雇われる。しかし僕達は自分の家で商売をする」
「それだからさ」
「何が?」
「成績を好くして置く必要がある」
と僕は機先を制してやった。
「何うして?」
「僕達は店員を使うんだ。主人が店員よりも成績が悪いと押しが利かない」
「おや/\」
「就職難がないから成績なんか何うでも宜いって考えかい?」
「うむ。それを主張しようと思っていたら、君にアベコベにやられてしまった」
「今度こそは本気になって勉強するんだぜ」
「言うにや及ぶ」
「僕は決心が堅い。後十日たつと生れ更る」