Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうぶごと
勝負事
菊池 寛
Lesen Sie 勝負事 (しょうぶごと) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.952 Zeichen · 8 Bildschirme
勝負事ということが、話題になった時に、私の友達の一人が、次のような話をしました。
「私は子供の時から、勝負事というと、どんな些細なことでも、厳しく戒められて来ました。幼年時代には、誰でも一度は、弄ぶにきまっている、めんこ、ねっき、ばいなどというものにも、ついぞ手を触れることを許されませんでした。
『勝負事は、身を滅ぼす基じゃから、真似でもしてはならんぞ』と、父は口癖のように幾度も幾度も繰り返して私を戒めました。そうした父の懸命な訓戒が、いつの間にか、私の心のうちに勝負事に対する憎悪の情を培っていったのでしょう。小学校時代などには、友達がめんこを始めると、そっとその場から逃げ帰って来たほど、殊勝な心持でいたものです。
私の父が、いろいろな憎悪の中から、勝負事だけを、何故こんなに取り分けて戒めたかということは、私が十三、四になってから、やっと分かったことなのです。
私の家というのは、私が物心を覚えて以来、ずっと貧乏で、一町ばかりの田畑を小作して得るわずかな収入で、親子四人がかつかつ暮していたのです。
確か私が高等小学の一年の時だったでしょう。学校から、初めて二泊宿りの修学旅行に行くことになったのです。