Japanische Klassiker mit Furigana
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けちょう
化鳥
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥 (けちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.872 Zeichen · 35 Bildschirme
母様もまた傍からまあ棄児にしては可哀相でないかッて、お聞きなすったら、じいさんにやにやと笑ったそうで、
(はい、いえ、大丈夫でござります。人間をこうやっといたら、餓えも凍えもしようけれど、獣でござりますから今に長い目で御覧じまし、此奴はもう決してひもじい目に逢うことはござりませぬから。)
とそういって、かさねがさね恩を謝して、分れてどこへか行っちまいましたッて。
果して猿は餓えないでいる。もう今ではよっぽどの年紀であろう。すりゃ、猿のじいさんだ。道理で、功を経た、ものの分ったような、そして生まじめで、けろりとした、妙な顔をしているんだ。見える見える、雨の中にちょこなんと坐っているのが手に取るように窓から見えるワ。
八
朝晩見馴れて珍しくもない猿だけれど、いまこんなこと考え出して、いろんなこと思って見ると、また殊にものなつかしい。あのおかしな顔早くいって見たいなと、そう思って、窓に手をついてのびあがって、ずっと肩まで出すと※がかかって、眼のふちがひやりとして、冷たい風が頬を撫でた。
その時仮橋ががたがたいって、川面の小糠雨を掬うように吹き乱すと、流が黒くなって颯と出た。