Japanische Klassiker mit Furigana
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けちょう
化鳥
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥 (けちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.872 Zeichen · 35 Bildschirme
といっしょに向岸から橋を渡って来る、洋服を着た男がある。
橋板がまた、がッたりがッたりいって、次第に近づいて来る、鼠色の洋服で、釦をはずして、胸を開けて、けばけばしゅう襟飾を出した、でっぷり紳士で、胸が小さくッて、下腹の方が図ぬけにはずんでふくれた、脚の短い、靴の大きな、帽子の高い、顔の長い、鼻の赤い、それは寒いからだ。そして大跨に、その逞い靴を片足ずつ、やりちがえにあげちゃあ歩行いて来る。靴の裏の赤いのがぽっかり、ぽっかりと一ツずつこっちから見えるけれど、自分じゃあ、その爪さきも分りはしまい。何でもあんなに腹のふくれた人は、臍から下、膝から上は見たことがないのだとそういいます。あら! あら! 短服に靴を穿いたものが転がって来るぜと、思って、じっと見ていると、橋のまんなかあたりへ来て鼻目金をはずした、※がかかって曇ったと見える。
で、衣兜から手巾を出して、拭きにかかったが、蝙蝠傘を片手に持っていたから手を空けようとして咽喉と肩のあいだへ柄を挟んで、うつむいて、珠を拭いかけた。
これは今までに幾度も私見たことのある人で、何でも小児の時は物見高いから、そら、婆さんが転んだ、花が咲いた、といって五六人人だかりのすることが眼の及ぶ処にあれば、必ず立って見るが、どこに因らず、場所は限らない。