Japanische Klassiker mit Furigana
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きたむらとうこくのみじかきいっしょう
北村透谷の短き一生
島崎 藤村
Lesen Sie 北村透谷の短き一生 (きたむらとうこくのみじかきいっしょう) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.267 Zeichen · 17 Bildschirme
の中に出ている筈だ。あれは極く短いものだが、兎に角病人に対する深い理解や、同情が籠っていると思う。この女の友達が死んだ時に、透谷君が『哀詞』というものを書いた。ああいうものを書く時分から、透谷君自身のライフも、次第に磨り減らされて行ったように見える。
透谷君がよく引っ越して歩いた事は、已に私は話した事があるから、知っている読者もあるであろうと思うが、一時高輪の東禅寺の境内を借りて住んでいた事があって、彼処で娘のふさ子さんが生れた。彼処に一人食客がいた事は、戸川君も一度書いた事があるが、何を為そうとするでもないような、心細い人を世話して、一緒に飯を分けて食うというような処が北村君にはあった。或る日、私が訪ねて行くと、結婚の問題で考えに悩んで、北村君の処へ相談に来ている婦人があった。私共三人は、墓場の石に腰掛けて、話した事なぞを覚えている。北村君の書いたものは、論文と云っても皆な自分の生活に交渉の深い、一種の創作であった。殊にサイコロジカルな処が、外の人達と違った特色であると思う。『鬼心非鬼心』という文章は、寺の借住居の附近にあった事を、主にして書いたものだ。