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Japanische Klassiker mit Furigana

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きたかぜにたこはあがる

北風にたこは上がる

小川 未明

Lesen Sie 北風にたこは上がる (きたかぜにたこはあがる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.249 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

賢二は、また、そんなことであろう、ここで自分が見ていては悪いと思ったので、気づかれないようにして、奥へ入ってしまいました。

それから、しばらく、きよは、そこに立って考え込んでいるようすでしたが、そのうち、内へ入って、お母さんのところへきて、手紙をお見せしようとしました。お母さんは、きよのようすをごらんになると、すぐに、

「なにかまた、心配になることをいってきたの?」と、やさしく、お問いなさいました。

「はい、お父さんが、病気だそうです……。」

「お父さんが、病気?」と、お母さんは、びっくりして、その手紙を受け取ってごらんになりました。それには、一週間ばかり、お暇をいただいて、帰ってきてくれるようにと書いてありました。

「これは、弟さんが、書いたのかい。」と、お母さんは、子供らしい文字の手紙を見ながら、おっしゃいました。

「はい。」と、きよは、答えました。

きよにも、弟があって、小学校へいっているそうです。かたわらでこれを聞いていた賢二は、父親が病気では、どんなにさびしかろうと、田舎に姉の帰るのを待っている少年の身の上に同情せずにはいられませんでした。そして、その手紙の文字は、うまいほうではなかったが、いかにも丁寧に謹んで書いてあったので、きよの弟さんは、まじめな少年であろうと思ったのでした。