Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
川口孫次郎氏説に、蛇が苺を食うという俗説あり。実際について観察すると、蛇が苺を食うでなくて、苺の蔭に潜り返って水に渇した小鳥が目に立ちて、紅い苺を取りに来るところを捉るのらしいと(『飛騨史壇』二巻九号)。『酉陽雑俎』十六に、〈蛇に水草木土四種あり〉、水や草叢に棲む蛇は本邦にもあり。支那の両頭蛇(蜥蜴の堕落したもの)などは土中に住む。純ら樹上に住む蛇は熱地に多く、樹葉や花と別たぬまで美色で光る。これは無論他動物をして、蛇自身の体の、花や葉と思い近付かしめて捉うる擬似作用で、本邦のある蛇が苺の下に隠れて鳥を捕うると同じ働きだ。さて予幼年の頃、しばしば蟾蜍を育てたが、毎度蟾蜍が遠方にある小虫を見詰むると、虫落ちてそれに捉わるるを見、その後爬虫や両棲類や魚学の大家、英学士会員ブーランゼー氏に話すと、そんな事があるものかと笑われたが、人に笑われる者、必ずしも間違って居るにも限らぬと思い、帰朝後長々蛙類を飼い試むるに、幼年の時驚いたほどの事が今も実現する。壺の中へカジカ蛙をあまた容れ、網蓋の小孔より蠅を入れると、直様蛙の口へ飛び込んで嚥まるるもあれば、暫時して蛙の方へ飛び行き捉わるるもある。