Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
バルフォールの『印度事彙』に人あり孕んだ牝虎を十七疋まで銃殺し剖いて見ると必ず腹に四児を持っていた。しかるに生まれて最幼き児が三疋より多く母に伴れられ居るを見ず、自分で餌を覓るほど長じた児が二疋より多く母に偕われ居るを見なんだ。因って想うに四疋孕んでその内一、二疋は必ず死んで産まるるんだろう。インド土人いわく虎子を生まばきっとその一疋は父虎に食わると、ロメーンスの説に猫甚く子を愛するの余り、人がむやみにその子に触るを見ると自分で自分の子を食ってしまうとあった。予本邦の猫についてその事実たることを目撃した。虎も四疋生みながら、一、二疋足手纏いになり過ぎるので食ってしまうのかも知れぬ。虎一生一乳、乳必双虎と『類函』にも見ゆ、また人これに遇うもの敵勢を作ししばしば引いて曲路に至りすなわち避け去るべし。けだし虎頂短くて回顧する能わず直行する故なりとある、これも事実らしい。ウットの『博物画譜』に虎道傍にあって餌獣の至るを俟つに必ず自分の巣に対せる側においてす。これ獣を捉えて真直ぐに巣に行かんためで、もし巣の側にあって餌を捉えたら真直ぐに遠い向側に進み、それから身を廻して道を横ぎり元の巣の側へ還る迂路を取らねばならぬからだ。