Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
(七)虎に関する民俗
二十辞旧歳の式に〈室内福神鬼刹鍾馗等の画を懸掛す〉とある、年末窮鬼を駈る意で鍾馗は漢代臘を以て神荼欝塁兄弟を祭ったから出たのだろ。
(七)虎に関する民俗
前条には信念と題して主に虎を神また使い物として崇拝する事を述べたが、ここには民俗てふ広い名の下に虎に係る俗信、俗説、俗習を手当り次第序べよう。まず支那等で虎の体の諸部を薬に用ゆる事は一月初めの『日本及日本人』へ出したが、少しく追加するとインドのマラワルの俗信に虎の左の肩尖の上に毛生えぬ小点あり、そこの皮また骨を取り置きて嘗め含むと胃熱を治す、また虎肉はインド人が不可療の難病とする痘瘡唯一の妙剤だと(ヴィンツェンツォ・マリア『東方遊記』)。安南の俗信に虎骨ありて時候に従い場処を変える、この骨をワイと名づく、虎ごとにあるでなく、最も強い虎ばかりにある、これを帯びると弱った人も強く心確かになる、因って争うてこれを求むとあるが(ラント『安南民俗迷信記』)、ワイは支那字威で、威骨とて虎の肩に浮き居る小さき骨で佩れば威を増すとてインドでも貴ぶ(『日本及日本人』新年号(大正三年)二三三頁を見よ)。安南人また信ず、虎鬚有毒ゆえ虎殺せば鬚を焼き失う習いだ。