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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうにしこう

十二支考(下)〔全2冊〕

南方 熊楠

Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

猴は前にもしばしば述べたごとくすこぶる手癖の悪いもので盗才が多い。パーキンスの『アビシニア住記』一にいわく、カルトウムで狗頭猴の牡一と牝二に芸させて活計する人予に語ったは、この牡猴は無類の盗賊で芸を演ずる傍一日分の食物を盗むから、マア数分間見ていなさいとあって、猴使いがその猴を棗売りの側へ伴い行き蜻蛉返りを演ぜしめた。予注意して見ると、猴は初めから棗に眼を付けたが少しも気色に露わさねば誰もこれを知らず、猴初めは棗入れた籃に近寄るを好まぬようだったが芸をやりながら漸次これに近付き、演技半ばにたちまち地に伏して屍のごとし、やがて飛び起きて棗売りの顔を見詰め、大いに叫ぶ状、どこか痛むか何か怒るものに似たり、かくて後肢を以て能う限りの棗を窃めど後肢のほかは少しも動かさず、棗売りは猴に睨まれて大いに呆れ、一向盗まれいると気付かず、傍人これを告ぐるを聞いて初めて暁り大笑いした。その間に猴素迅く頬嚢に盗品を抛げ込みたちまち籃を遠ざかる。たまたま一童強くその尾を牽いたので、さては露われたか定めて棗売りの仕返しだろうと早合点してその童子の側を通り、一両人の脚下を潜って棗売りに咬み付くところを猴使いが叱り止めて御無事に事済んだと。